THE DAY OF THE DOCTOR in 3Dをロンドンの映画館で観るぞっ!

※できるだけネタばれしないように書いてます※

2013年11月23日、「ドクター・フー」50周年スペシャル「The Day of The Doctor」が公開されました!

世界約90カ国で同時放送されたこのスペシャル。イギリスではTV放送と同時刻に、国内の映画館で3D上映が行われましたが、せっかくこの日にロンドンにいるのだから映画館で見なきゃソンですよね!?

BBCのこのスペシャルへの力の入れ方はハンパなく、なんでも2ヶ月も前からキャンペーンが始まり、1週間前からは毎日「ドクター・フー」関連の番組を放送して、朝のニュースでは画面上をターディスが飛んでいき、BBC ONEのジングルも突然ドクターがジャックして「The clock is ticking ! 」とささやく。

あげくに、それに対する届いた苦情もニュースの「視聴者の意見」コーナーで取り上げ、逆に「我々は通常のニュースは通常通りに放送しています!」なんて弁解までして、そこまでやるのか!?BBCよっ!(笑)


上映された映画館のスケジュール冊子ですが、
これが印刷された時点で既にSOLD OUTになってる(汗)
ここは単独で後日追加の上映が予定されてました

ともかく、50thスペシャルをロンドンの映画館で観ようと考えた訳ですが、日本と違ってイギリスは映画料金が一律ではなく、ロンドンでは中心地の映画館ほど高くなります。それでもせっかく観るなら華やかなトコがいいよね、と、劇場が立ち並ぶウエスト・エンドの映画館を探したところ、えっ!?どこもかしこもソールド・アウト!?マジですか!?あんたたち、TVでも観られるでしょ!?

焦って周辺の映画館を探すと、隣のトッテナム・コート・ロード駅にあるODEONは、まだ7時30分からの回が空いていたので、慌てて前売りチケットを購入しました。そして初めての3D体験なので、眼鏡も1ポンドで購入。

ちなみにここでの料金は16ポンド(約2500円)。結構高いけど、でもウエスト・エンドの映画館は20ポンド(約3200円)でしたよ。

ショッピング客で賑わうオックスフォード・ストリート(Oxford Street)から少し外れたところにあるこの映画館。落ち着いた雰囲気での映画鑑賞になるのかと思いきや、ツイード・ジャケット姿の奴や、ソニック・スクリュー・ドライバーを持った奴、フェズを被った奴、200人ぐらいの小ぶりなホールでしたがドクター・ファンで満席!

今回の上映はBBCの放送時間に合わせるため、どこの映画館も上映開始は7時30分と設定しながらも、正確な時間はBBCが放送時間をアナウンスしてからと注意書きがありました。おまけに、とある映画館なんて「開始時間はおよその目安であり、TVと同時刻に終了するとは限りません」と注意書きがあったりして、数分のズレも許さないなんて、どんなオタクを想定してるんだ(苦笑)

なので、映画上映はTVと同じ7時50分からでしたが、しかし7時30分には場内が暗くなり、「うわぁ、これから20分間も宣伝や予告編を観させられるのか」と覚悟したら、いやいや、これが本編上映まで、想定外の場内笑いっぱなしの20分!

なにしろ、宣伝から他の映画の予告編まで、全てが「ドクター・フー」記念バージョンだったのですっ!「Anchorman 2」というアメリカ映画なんて、
「ピーター・カパルディとは誰だ?(Who is Peter Capaldi?)『ピーター・カパルディはドクター・フー』だって?(Peter Capaldi is Doctor Who?)その文章、おかしいだろ??」
なんて予告編で、この日しか映画館上映されない50thスペシャルのために、わざわざ作ったのか!?

おまけに上映中の注意事項だって、
「愚かな人間どもに、映画を観る時の禁止事項を伝えるっ!」
なんて調子で、スクリーンからサンターランが説明すれば、ファンは爆笑!

あげくに11thドクターがスクリーンに飛び出してくれば、場内は大歓声!
「やあっ!『ドクター・フー』100周年記念の12Dを観に来ている皆さんっ!」
へっ?ドクター、何を言ってんの??私の聞き間違い??と思いきや、女性が登場してドクターにコソコソと伝えると
「3D??何で?予算が無かったの?」
と、いきなりドクターに一発かまされ、場内爆笑。
「ごめんね!さっきまでタイム・トラベルして100周年スペシャルを観てたから。」

続いて10thドクターが登場すればさらに大歓声
「3Dに変わるとアゴが飛び出してくるから気をつけろ!」
なんて警告に場内大爆笑!ヒドイわ(苦笑)
するとまたして登場してきた11thドクターが今度は3Dに!!大丈夫、アゴは飛び出してこなかったよ(笑)

こんな前振りの連発で劇場内のテンションも上がりまくり。そしてそのまま「The Day of The Doctor」の3Dバージョンへっ!

そこからの80分間、11thドクターと10thドクターのソニック・スクリュー・ドライバー対決に爆笑し、3人のドクターの決断を静かに見つめ、そしてクライマックスでの想定外の「あの人」の登場に大歓声!エンディングの「あの人」の登場には場内騒然!上映前にあまりにお腹が空いていたので買ったポップコーンも、結局ひと粒も食べられず(苦笑)いやぁ、国は違ってもドクター・ファンはハマるツボが一緒ですねぇ。

3Dも想像以上に面白かったです!これまで3D映画を観た人たちからあまり良い評判を聞いていなかったので、あんまり期待していなかったのですが、この50thスペシャルは3Dを意識した無駄な演出や映像もなく、ナチュラルにドクター達が立体的になっていましたよ。

それにしても余りに予想外のストーリー!第7シリーズのフィナーレは何だったんだ!いつの間にあそこから脱出しちゃったんだ?!さすがモファットだぜ(苦笑)

とはいえ、この50thスペシャルは、過去の「ドクター・フー」へのオマージュではなく、ドクターが彼自身の過去を認め、そして未来へと踏み出すドクターの精神的リジェネレーションのストーリー・・・なんていうと大袈裟かもしれませんが、ドクターというキャラクターを掘り下げることに焦点を絞ったストーリーは、50周年にふさわしく素晴らしいものでしたが・・・以前、ロンドンのSFショップで出会った、「『ドクター・フー』はドクターじゃねえんだよ!ダーレクなんだよっ!」とほざいてたオジさんはきっと文句ブーブーなんだろうな(苦笑)

そして、そんなストーリーをグイグイと引っ張る5人の俳優が最高です!

マット・スミスとデヴィッド・テナントの2人のドクターの共演はまさに化学反応!そしてジョン・ハートもどれだけダークなドクターを見せるのかと思いきや、しっかり笑えてチャーミングなドクターになってる(笑)ジェナ・コールマンは美味し過ぎる役でドクターたちを支え、ビリー・パイパーもあんなに良い女優だったとは。

以前から11thドクターをスクリーンで観たいと思っていたので、それがこの50thスペシャルで叶うなんて最高でした。しかも他のファンたちと一緒に笑い、歓声を上げて、うん、楽しかったです!

上映が終わってホールを出ると、通路には次の9時30分からの上映を待つ人たちの行列がズラッと。彼らのワクワク顔とそれを見てニンマリ笑う私たち。

そして映画館の外では、出てきたファンをBBCがインタビュー中!えっ?何でまた、こんな地味な映画館で??

そしてホテルに帰ってTVをつけると、ちゃんとそのインタビューをBBCニュースが放送してました。


50周年を記念してこんな雑誌が出ていました
真ん中の「ドクター・フー・マガジン」50th記念号は、ロンドンではソールド・アウト状態で見つけられず。DWEのショップで買っておいて良かった(汗)