DOCTOR WHOなつぶやき 過去ログ

イギリスのSFドラマ「ドクター・フー」の話題を拾った時につぶやいてます。

June_2017

ピーター・カパルディの12thドクター、そして総合プロデューサー スティーブン・モファットのラスト・シリーズがスタート!!・・・って、すでに残すところ2エピソードなんですけどね(苦笑)

なのに、この第10シリーズ・・・なんだかのめり込めないのです・・・。


ドクターと新コンパニオンのビル / RadioTimesより拝借

今回のシリーズは、非常にトラディショナルな「ドクター・フー」と言えば良いのかな。悪役モンスターとドクターたちが戦うというシンプルなストーリーばかりで、モファットの「ドクター・フー」に対して、「話が複雑過ぎる!」とか、「コンパニオンとの関係がウゼー!」とか文句を言っていたファンにはウケがいいと思いますが(実際、iPlayerでのダウンロード回数の順位が前シリーズに比べてメチャクチャ高い!)そのモファットの「ウザさ」が大好きなファンとしては、なんだか物足りない・・・。どうしちゃったんだよ、モファットぉぉ!?

おまけに新コンパニオンのビルにも、いまいち気持ちが入らないのです・・・。彼女のキャラクターが薄いし、運命的にドクターと出会ったエイミーやクララに比べるとドクターとの関係に必然性も感じられない。だから、クララと同じようなセリフを言っても上滑りな感じが拭えない・・・。おまけにストーリーに関係なく、ゲイであるビルのセクシュアリティがやたらと強調されるのも、正直イラっとくる・・・。

いやいや、今回のシリーズは実はコンパニオンではなく、ドクターとミッシーの関係に注目すべきなのかも!あのミッシーは本当に真人間・・じゃなくて真タイムロードになったのか??ミッシーの涙をドクターは信用していいのか??人を許して信じる事の難しさに直面するドクター!そこに遂に登場するのがジョン・シム!!彼はマスターなのかっ??!!ど、ど、どうなるのよ!?


Missy vs Master?? / BBC

と、何だよ、なんだかんだと文句を言っても、ちょっとワクワクしているのです(苦笑)


「そりゃそうだろ?!」と言ってそうなピーター / RadioTimesより拝借

ところで、「やたらとビルのセクシュアリティが強調される」と書きましたが、実はBBCの「ゲイ・ブリタニア(Gay Britannia)」シーズンの一環なのかも!?

イギリスで同性愛が(制限付きながら)法律上認められるようになって50年目の今年の夏、BBCが「ゲイ・ブリタニア」シーズンと銘打って、LGBTをテーマにした様々な番組を放送しますが、その中でも「ドクター・フー」ファンが注目すべきは、ご存知マーク・ゲイティス(「シャーロック」のマイクロフトと言えば分かりやすい?)が製作するドラマ「クイアーズ(Queers)」!

モノローグ形式の15分のドラマが8エピソード続くこのミニ・シリーズ。ゲイティス脚本による(確か)第1エピソード「The Man on the Platform」の主演は、この人!!


QUEERS / BBC

はい!ベン・ウィショーです(苦笑)

他にも、「アロンジー!アロンゾ!」と10thドクターに言われたラッセル・ドービィーが主演のエピソードもありますよ。7月にロンドンのOld Vic劇場でモノローグ劇としても上演されますが、その前後あたりでドラマは放送される模様です。

そして、この「ゲイ・ブリタニア」では「シャーロック」のモリアーティことアンドリュー・スコットによるドラマも放送されるそうで、今から楽しみっ!!

ちなみに、今年で「ドクター・フー」を離れるモファットですが、ゲイティスと「シャーロック」のプロデューサー、スー・ヴァーチューと共に、「ドラキュラ」をドラマ化するそうです。まだ脚本すら書かれていませんが、ゴシック小説の古典「吸血鬼ドラキュラ」をベースに、現代版「ドラキュラ」を描くとか。これも楽しみですねっ!

おまけの話題。先ほど話題に出たベン・ウィショーは8月からロンドンのアルメイダ劇場で舞台「Against」の主演を務めますが、その同じ劇場で2014年に上演されて話題になった「King Charles III」がBBCでドラマ化されました。(話題の振り方が無理矢理だなぁ(苦笑))


King Charles III / BBC

「チャールズ3世」とは現チャールズ皇太子の事で、つまり、エリザベスの女王の死から、次の国王の戴冠式までを描いたフィクション・ドラマなのです。

長い間「皇太子」という責任の無い地位にいたチャールズの理想主義によって国は混乱、ウィリアムからヘンリー、キャサリン、カミラ、そしてダイアナ妃の亡霊まで現れ、現存の王族たちによる王室の内乱(もしくは親子喧嘩や嫁姑喧嘩?)をシェークスピア劇さながらに描き、「現実に起こりそう!」と思わせてしまうようなリアリティ感も相まって、メチャメチャ面白い!

ドラマ化してTV放送したBBCに対し、イギリスの革新系新聞は大絶賛、保守系新聞は批判しまくり。ああ、メディアが「忖度」するような国で「クール」な文化なんて生まれやしないよ!と、思い知らされる作品でもありました・・・。

ともあれ、機会があれば是非ご覧ください!