「アラビアのロレンス」を巡る旅 in UK/2006年2月

2006年2月20日/クラウズ・ヒルにGO !!(その1)

今回の旅のもう一つの一大イベント、それはクラウズ・ヒル(CLOUDS HILL)のコテージに行くことでした。

これまでに何度か名前が出てきているように、ロレンスが死の直前に住んでいたコテージですが、現存していると知らなくて、旅行の準備で色々とネットを見ていたら、偶然クラウズ・ヒルのサイトに行き着き、
「うお〜っ!今でもあるんだぁ!見られるんだぁぁ!!」
と、一気に興奮。
英国の自然や歴史的建造物を保存しているナショナル・トラストという団体が現在このコテージを管理していました。

当然「行くぞぉ!!」と、すぐに計画を練りました。

公開日は木曜日から日曜日まで。

場所は南イングランドですが、地図を見るとどうやら周囲は森らしい。山小屋なんだから当然だけどね。近くに「キャンプ」もあるし・・・って、これキャンプ場じゃないよっ!「ボヴィントン・キャンプ」って、ロレンスが所属してた陸軍基地だよ!まだ同じ場所にあるのかぁ。

さらにコテージの横が「TANK FIELD」?戦車演習場ってコト?まぁ陸軍基地なんだからしょうがないよね。

コテージの向こうは「PADDLE」?沼地??

そして極めつけ!コテージの裏が「DANGER AREA」!
でんじゃあ・えりあぁ!?
なんだそれ〜っ!?弾でも飛んでくるのか!?オオカミでも出るのか!?こんな所に一人で行って大丈夫なのかなぁ・・・(冷や汗)

しかも交通機関が分からず、出発地から目的地までの行き方をピンポイントに教えてくれるサイトで「ロンドンからアラビアのロレンスのコテージ」と検索してみると、おおっ、出た出た!
でも・・・何度やっても「交通手段:車」としか出てこない・・・。
公式サイトにはバスの案内らしきものがあるけど、シーズン・オフのイギリスの田舎はバスが休止していたり悲惨なコトが多いんだよね。DANGER AREAに行くのにそんなバスを当てにできない。

そうなるとレンタカーだなぁ。海外での運転経験はないけれど、イギリスは日本とほぼ同じ交通規則だからなんとかなるだろ、と甘く考えて、とりあえず国際免許を用意しました。

出発も近づいてきたある日、クラウズ・ヒルの地域の観光ガイドらしきサイトを読んでいたら、「なおコテージは10月から3月の間は閉館します」って書いてあった・・・・へっ??ちょ、ちょっと待って!!何、それ!?

慌てて公式サイトをもう一度見直すと、開館している曜日が書かれた表には確かに「Mar-Oct/05」と「Mar-Oct/06」と書いてある。そんなぁぁ!こんな分かりにくい表示なんてアリかよぉぉぉ!!!

本気で旅行を延期しようかと思いましたが、すでにあちこちにアポイントメントを取ってあるし、ライブのチケットも全部手配できちゃっていたし。マジで泣けてきた・・・。
・・・でもメインはロレンス展なんだ。今回は下見のつもりで、コテージを外からでも見て、そして近くにある彼のお墓参りをすればいいじゃないかっ!と、なんとか自分を元気づけました。

でもヘコむ・・・。未練たらしく例の観光ガイドをまた読み直していると、最後に「冬期や団体の場合は管理人に連絡してください」と書いてある。え?つまり管理人に連絡すればこの時期でも開けてもらえるかもしれないの!?ど、ど、どうしよう!!
う〜ん、この際、やれることはやってみよう!!と、覚悟を決めて、サイトに書かれていた問い合わせ先の番号に国際電話をしてみました!

「プープー」とイギリスの呼び出し音が聴こえ、ドキドキしていると「こちらはクラウズ・ヒルです。現在は閉館中です。ご用の方は・・・」と留守番電話が別の電話番号を読み上げました。やっぱり閉館中なんだ(涙)でも、もう悩んでもしょうがないぞ!と、どこに繋がるのかも分からないその番号にまたかけてみました。すると、
「はい、ナショナル・トラストです」
うわっ、元締めに繋がっちゃった!
「あの、アラビアのロレンスの、クラウズ・ヒルのコテージについてお聞きしたいのですが」
「はい」
「今は閉館中なんですよね?」
「そうよ」
「・・・中を見せてもらうのは不可能ですか?」
「できるわよ。管理人に連絡して、都合が合えば開けてもらえるわよ」
と、管理人の電話番号とメアドを教えてくれました。きゃっほ〜っ!希望が見えてきたぞ!と元気になった途端、悪夢の一言が。
「あら、この人、今はホリディだわ。」
なにぃぃ!!いつまで?いつまでホリディなんだぁ!?
結局、私の滞在中に休暇から戻ってくるものの帰国2日前にしか連絡がとれず、それでOKならば帰国前日に車を飛ばしてクラウズ・ヒルに向かうという、かなりキワどい日程になることが分かりました。ああ、またヘコみそう・・・。

休暇先でチェックしてくれるかもしれないという可能性にかけてメールを出してみました。 するとすぐに返事がっ!でもタイトルが「Auto Reply」・・・自動返答?
開いてみると「今、私は休暇に出ています。戻るのは24日です」・・・・それ、私の帰国日なんですけど・・・・うえ〜ん!

半泣きになりながらも「万一、連絡してくれるなら」と、こちらの英国での連絡先を書いて返送しました。いくら昼に夢を見ようともさすがにこれはくじけそう。それでもダンナに「このメアドのメールが来たら、すぐに連絡してね!」と伝え、とにかくクラウズ・ヒルに行けるように最終日のレンタカーを予約しました。

でもフューチャーヘッズのライブにかなりパワーをもらって、「よっしゃああ!行くぞ、英国!」と元気回復。単純だねぇ。

そしてヒースロー空港に到着。

入国審査の列に並んでいると前の日本人のグループが「あ、ほんとだ、繋がってる!」「いいなぁ、私もボーダフォンにしておけばよかった」なんて会話が聴こえてきました。
そうだ、私も海外で使える携帯に変えたんだ、と電源を入れてみると、見事「VODAFONE UK」の文字が!
うお〜っ、繋がるね、ボーダフォン!
なんて浮かれていたら、いきなりメールが届き、ダンナからの転送メールでコテージの管理人からでした!慌てて見ると「I CAN ONLY・・・」でメールが切れている!私の携帯は手動でメール全文を受け取らないといけないので慌てて操作していたら、あ、審査の順番が来ちゃった。

審査をうけて(「え?サイトシーイング?じゃあ前回は?これもサイトシーイング?その前は?一人なのか?」と、ちょっとしつこく聞かれました。いっそ「ロレンス展を見にきたんだよ!」と言ってやればよかった)空港バス(エア・バス)でさっさとホテルに行こう、と思ったらバス乗り場が見つからない。
インフォメーションに聞いてみると「廃止になったわよ」の一言。
えええ〜っ!!そんなぁ。エアバスで行けるようにホテルを場所を選んだのにぃ。しかたないので地下鉄の乗換の階段にフラフラになりながらも、とにかくホテルにたどりつきました。

荷物も解かないうちに携帯を出して全文受信しました。
メールによると、管理人は一旦休暇から戻るが、またすぐに出ていくので、20日か24日ならコテージを開けられるとのことでした。20日ならちょうどエルボー(ELBOW)のライブを見るためクラウズ・ヒルの近くにあるサザンプトン(SOUTHAMPTON)という街に行く予定でした!
なんていう幸運っ!!すぐに「20日の12時に行きますっ!お願いします!」とメールを送りました。

そうなると20日にサザンプトンでレンタカーを借りるから、今の予約をキャンセルしないといけない。たしか1週間を切るとキャンセル料が発生するんだよな・・・(逆算中)・・今日がタイムリミットかよっ!?
電話帳には予約センターの番号が載っておらず、営業所に直接連絡しようにもすでに夜8時頃で閉まっている。え〜いっ!「近くにネット・カフェはありますか?」

とにかくインターネットを使って予約はキャンセルしました。でも新たな予約はそこではできないので、サザンプトンの営業所の電話番号をメモしておいて、明日予約することにしました。ああ、今は日本時間は朝5時なのに・・・疲れた。

翌日、車も予約し直し、管理人からも「では20日の12時に」という返事も届いて、やった〜!