イングランド北部の光と影を歌わせれば右に出る者はいないと言われるバンド、それがエルボー(ELBOW)
今回の旅行では彼等のライブを２回も見てしまいました。
と、いうのも、ロンドンでの彼らと翌日のエディターズのライブはチケットが早々に売り切れてしまいました。こんな時はダフ●から買えばいいのですが、それでもやっぱり旅行中に何かひとつくらい確実にライブを見れるようにチケットを買っておきたいなぁ。
で、ちょうどエルボーはロンドンの前日にサザンプトンでライブがあり、しかもこちらは売り切れてない！サザンプトンはロンドンからも近いので、ここでとりあえずエルボーのライブを見ちゃえ！とチケットを押さえてしまいました。
ところが、ロンドンには老舗の某チケット屋があって、ここは独自にチケットを販売しているので、たまにソールド・アウトのチケットを突然再販売したりします。なので出発間際までこの店のサイトをこまめにチェックしていたら、ある夜「うおっ！エルボーとエディターズのチケットが両方とも売られてる〜！！」当然すぐさまこれを購入しました。
そうなるとサザンプトンでのライブはどうする？
イギリスのチケットをオンラインで購入すると、郵送か当日会場で受取り（BOX OFFICE COLLECTIONといいます）になります（余談ですが、イギリスの場合、転売防止なのかライブの１週間前までチケットが届かないことがあります。なので旅行の終わりに行くライブの場合、出発までにチケットが届かないなんて悲惨な事態も。）
サザンプトンのチケットは当日受取だったので、もしライブに行かないと、チケット代だけしっかりカードから引き落とされて手元にはチケットすら残らないのです。
それもちょっと悲しいです。ならば、やっぱりライブを見ようと決めてサザンプトンのホテルを予約しました。
それにしても、エルボーのボーカル、ガイ・ガーヴェイ。あんな小デブで小汚い男（えらい言い方だ）のどこからあんなに美しい音楽が生まれてくるのでしょう？
メランコリックでしみじみしているんだけど、でも硬質で実験的なエルボーの音楽は、実はあのコールド・プレイが大絶賛していて、彼らがアルバムを作る時はエルボーを聴き続けたそうなんですよっ。でも彼らみたいに売れないし、「第二のレディオ・ヘッド」と言われながら、そこまでカリスマになれなかったのは、彼らの音楽があまりにイングランドの地方都市的香りがぷんぷんしてるからなのかな。
エルボーは１枚目のアルバムが出た時にサマソニ・フェスで来日していて、それを見てファンになったのですが、３枚目をリリースした彼等の久々のライブはどうだったかと言うと、かなり「ロック」な音楽に変わっていてました。
あのガイがマイクを持って客を煽りながら歌うなんて意外！（サマソニでは終始椅子に座って淡々と演奏していたから）でもこれはこれで良かった〜！
サザンプトンとロンドンの両日とも３枚目のアルバムの曲がほとんどで、古いのは１枚目の「Powder Blue」や２枚目の「Switching Off」ぐらい？
ライブはアルバムよりかなりストレートで激しくて、「この曲はExperimental」と紹介して、ガイがドラム・スティックを叩き鳴らす新曲（かな？）はエルボーらしい緊張感があってカッコいい〜。 最後の「Forget myself」では、サビの「No I Know I won't forget you, but I forget myself if the city forgives me」が場内大合唱でした。
それにしても、ガイの北部なまりは何を言ってるんだか全然分からない・・・。ガイが何か言うたびに場内が爆笑していてもついていけない（涙）ただ、曲が終わるたびに「Are you still OK?(まだ平気？）」と聞いているのには笑いました。そんなにエルボーを聴くと体調が悪くなるのかよ？
そんなエルボーのライブは比較的年齢層が高いのですが、サザンプトンの時、ステージ前の隅っこで見ていたら、隣で小学生くらいの男の子が大喜びで彼らのライブを見ているからビックリ。
「この歳でエルボーかよっ！渋過ぎだよ！」と、思ったけど、でも私も小学生の頃、ABBAが好きで（歳がバレるぞ）アルバムを買いに行ったら、店員に「お兄さんかお姉さんのお使い？」と聞かれ「ううん、自分のだよ」と答えたら、「その歳でアバを聴くの？えらいねぇ」と言われ、「好きな音楽聴くのにエラいもへったくれもあるかよ」と、とてもクソ生意気なことを思ったので、この子もそんなもんなんだろうな。
時々両親が様子を見にきていたけど、その子はひとりで全曲一緒に歌いまくって、ふと気がついたらちゃっかり柵の前にまで入り込んでいました。
警備員も「おい、おまえ注意しろよ」「おまえがやれよ」な状態でどう対処したらいいか悩んでました。
そしてライブの最後の曲の前に、ガイが中央の前列にいるお客さんと「何て名前？」とか話を始めたんですが、いきなり「よし！ステージに上がれ！」と引き上げたのが、なんとその子でしたっ！いつの間にそんな所まで！
そして「これが君のだ」とドラムスティックを渡し、ラスト1曲を共演しちゃいました。
彼の演奏はなかなか堂々としたもんでしたが、それより両親の慌てっぷりが笑えたぁ！客席の後ろからすごい勢いで走ってきて、柵の前にまで入りこんで携帯で息子の勇姿を撮影しまくっていました。
そしてライブ終了後、その子はそこら中の大人たちから頭グリグリされてましたよ。
で、ロンドンでのライブはNME（イギリスの音楽新聞）が主催で、他にもいろんなバンドが出演していましたが、その中でLARRIKIN LOVEというバンドがすんごい良かった！まだ若いバンドだったけどバイオリンをフューチャーしたカントリー・スカみたいな音楽で、とにかく楽しかったです。近々シングルが出るようなのでちょっと楽しみ。